電話を通じてラジオ出演という難関

4日もあけたのか。外出が多かったのと、書けること、書けないことを吟味していたら後者に分類される機密情報収集と隠密行動に満ちた日々だった、というのは全くあり得ず、つまりはサボっていた。時期が時期だから個人的なことも政治的になるのを避けて、というのも冗談であるが、読んだ本のことを書いたら、アップする前に手違いで消してしまった。それで気を取り直して言葉の話題。今日、夫がラジオでしゃべった。テレビに出た時なんか見たこともないが、なんとなく今日は聞く気になって娘と車に入ってカーラジオをつけて聞いた。そもそも数日前に夫から「ラジオに出ないかという話があったがどうしよう」という電話があった。そんなことで私に尋ねてくる理由も分からず「出たくなければ断わればいいでしょ、でも、断わる理由もなくない」と言った。私もどっちかっていうと依頼する立場に立つことが多いので、依頼を断わるのは申し訳ないという気持ちが働く。「出ていいものか悪いものか分からない」と彼。そういう迷いって珍しいな、分からんでもないが、と思って聞くと、電話でライブということだった。ううむ、これは結構ハードル高いかも。編集の余地がなく、言葉が100パーセントの世界である。しかし相手が外国人なんだから当然そのへんは心得た話し方をするだろうし、今までイベントなどで話したのを聞いていてもそう問題はないから、それ以上深く考えなかった。

それで本日が本番。いきなりしゃべる夫。もしや自分で話し続けなければいけないと誤解しているんじゃないか、と思わせる話しっぷりである。その後も話がかみ合わない場面があった。例えば「タイ料理ならではの食材って何ですか」という質問。「ならでは」はないでしょ、と私は思う。私だったら特別に日本語に長けた人以外の外国人以外、これは使わない。案の定、答えがかみ合わない。それで聞き直しのつもりなのかまた今度は「ならでは」を単独でアナウンサーが繰り返す。外国人と接しなれていれば、いや、外国人でなくても言語の使い方は人によって違うから、慣れない使用方法だと言葉の言い換えをするのが普通だろうし、特に言葉の仕事であれば当然だと思うが、それをしないのにはびっくりしたが、アナウンサーの方からすると「おかしいな」なのかもしれない。でもまあこの程度は日本人同士でもありそうな範囲と言えば言えなくもないから、ご愛嬌。

夜になって夫から電話があって「聞いたか」と言う。「分からない言葉がいくつかあったでしょ」と私が言うと、あたっていた。だいたいどこが分からないかは分かる。先の質問をタイ語にしてやった。「自分でしゃべり過ぎたような気がする」とも自覚していた。昨日打ち合わせをしているはずなので「打ち合わせの時に答え方を教えてくれなかったの」と聞くと「聞いてない」である。「経験不足の若い人だった?」と聞くと「若くない」。この間、選挙絡みで外国人労働者導入について言及している候補がいてびっくりしたものだが、そんなことになるなら、日本語の語彙を段階分けして、日本人自身が日本語に敏感になる必要はあるなと思ったラジオ出演だった。私も、自分がタイ語で電話でこの応答をするとしたらどうだろうかと考えながら聞いていた。いろいろ勉強になって面白かった。
by kienlen | 2009-08-20 23:24 | 言葉 | Comments(0)

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