ひっそりと自殺未遂

昨夜、ひとりでワインを飲んでいい気分になっているところに友人から電話があって、夜も遅い時間に夫の店へ出かけた。まだ営業時間中のはずなのに看板は消えている。お客さんがないと、早めに閉めることはあるが店内の電気はついている。こういう時に店に入って見たくない場面を見ると気分を害するので少々迷ったが、友達が車を駐車場に入れてしまったしでドアを開けてみた。意外に静かにタイ人ばかり数人がビールを飲んでいた。夫が「〇〇が薬を飲んで自殺を図った」と言う。〇〇は知らない人ではない。確か日本人の夫との間にまだ小さな子どもがいたはずではないだろうか。「なんで」と聞いても誰も知らない。「直前に会ったけど普通だった」そうだ。集中治療室に入って2日になるそうだ。意識はないそうだ。

事情は分からない。しかしこのあたりに定住しているタイ人との行く末というのは、決して明るいようには感じられない。外国暮らしが長くなるということは故郷との関係が希薄になるということなのに、じゃあ、日本で居場所があるかというとひじょうに心もとない。そもそもが人身売買ルートに乗って入国している場合が多いし、自分で自分の人生を切り開いていくというタイプに会えることは少ない。どうもここらへんが、他の国の女性たちに感じるエネルギッシュさに欠ける原因ではないかと思っている。まあ、だからなんとなく日本でひっそり生きるにはいいのかもしれないが…。たまたまここにいるから友達みたいに見えても、信頼し合うような関係をタイ人同士が築いているようには、とうてい見えない。せめて家族が支えになればいいけど、これがまた実に心もとない。いつになくひっそりとビールを飲んでいたのは、目をそらしていたい不安がすぐ身近まで迫っていたからじゃないだろうか。
by kienlen | 2009-07-19 17:53 | タイ人・外国人 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30