『売国者たちの末路-私たちは国家の暴力と闘う』

福島隆彦氏と植草一秀氏の対論本。アマゾンから案内メールがきた時にちょうど早急に必要な本を書店に取り置き依頼するところだったので、ついでにこの本の在庫を聞いたら「ある」ということで、一緒に取り置いてもらって、必要な本はさておき、必要でもない方のこっちを先に読んでしまった。読み始めるとやめられない。読了直後に友人に貸していて本日戻ってきた。一番の問題がテレビを見ないせいだと思うが、世間で起きていること、話題になっていることをかなり知らないので、植草氏の痴漢容疑事件についても、学者ってそういうこと起こしそうでもあるな、しかしよくまあ何度も、という程度の興味しかなかった。この本を読んだのは、植草氏への興味というよりは福島氏の方への興味からだった。随分力の入った本であることは福島氏の「はじめに」で痛いほど伝わってきて、なんだか感情的過ぎないかと思った始まりだったけど、中味は冷静で論理的ですっきりしていてごまかし感もなく安心して夢中になれた。

アメリカが日本を操作していて、植草氏の事件はそういう流れの中に位置付けることのできる冤罪であるということが説明されている。アメリカの意図、つまりここで背景として前提にしていることの事実の程度を一般庶民が知ることは難しいから、それをまず信じるかがひとつの階段。ここを上ったら、あとはスラスラいけるような気がする。いずれにしろ、比喩じゃなくて命がけの書であり、それだけでも感動に値する。そもそも、報道を消費しているだけだと、あっちで人が死んで、こっちでナンカして捕まって、ということの関連性が分らないが、こうして並べて検討すると、やはり背筋が寒くなる。ここに出てきている本は割と既読のものが多かったので、その点でもすんなり読めた。それにしても既存のシステムが限界にきているという感じは強まるばかり。頭脳明晰で正義感に満ちたエリートに一切を託したい…なんて依存心がむくむくするのも危険か。一般庶民としては、一般に流通している情報が一体何なのかということは、どうやって確かめたらいいのかを手っ取り早く知りたい!と思って、その手っ取り早さが落とし穴ってことを見落としそうになるわけだ。どう判断するにしろ読む価値のある本だと思う。
by kienlen | 2009-07-12 11:50 | 読み物類 | Comments(0)

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