ラオスからタイに戻るバスの中でその2

「ラオスは15年ぶりくらいなんですが、すっかり変わりましたね」と私が言うとその先生は「ラオスはひどい国だ」と何度か繰り返した。貧しい人が極度に貧しいというのだ。お手伝いさんの家のある村の印象が強烈だったようだ。まずは食費。「1日100バーツの賃金でラーメン1杯40バーツ!タイだったら田舎の雑役請負でも150バーツにはなって、ラーメンは30バーツで食べられる」と言う。これは同感である。次が医療費。「タイだったらいくらお金がなくたって病院で診てくれないということはないけど、ラオスはお金がないと診てくれないから、貧しい人は医者にもかかれずに死ぬのよ」と言う。この点は私は現実を知らないからなんともいえないが、ラオスの体制ってどういうものなんだろうと思って友人に聞いたところ、病院も学校も無料じゃないとは言っていた。その前に山岳地帯に病院があるんだろうか。次が教育である。学校に行ってない子がまだたくさんいると言う。各トピックの間にも「ひどい国だ」を繰り返す。チャンスが平等にないというのも槍玉に上がった。「私みたいな田舎の人間が日本に行くチャンスに恵まれるなんて思ってもいなかったのに、タイだったら可能、ラオスではムリ」ということ。しかしラオスは小さな国で人口も少ないんだし…というと、これも非難の的になる。「実は人口はもっと多いはず。出生届のない人がかなりいるのよ」と言うのである。

タイでも山岳地帯だと出生届けがなくて学校に行けないとか、IDカードが作れないので仕事ができないどころか、極端に言うと不法滞在みたいなことになるという問題は私が住んでいた頃にはたまあに話題になっていた記憶があるし、実際にそういう人に会ったこともある。だから不思議ではないが、人口に結びつけるあたりはちょっと極端ではないだろうか。いずれにしろ今のタイを知らない、ラオスについてはちょっと行っただけ、という自分には自分の意見を言えないのがつまらないところ。でもそのおかげで彼女はのびのびと話せたような気もするが、外国、特に隣国に対しては自国愛が強まったりすることが多々あるものだ。その昔はフランス領だったラオスの美しい町並みにタイ人があこがれていた、なんて話しもあるんだし。それから先生は「お手伝いさんの家まで雇った車がすごい運転だった。地獄に落ちるかと思った」とも言う。あとは「店員のサービスが悪い」とか。昔、夫と一緒に行った時も彼の第一声は「田舎」だった。何事も相手があって自分を見つめるものなのだ。それも国境がオープンに行き来できるようになったからこそだろう。先生のおかげで2時間の車中を濃厚に過ごした。私がホテルも決まってないことを知ると「研修で利用したことのあるホテルはそんなに高くなくて良かったから教える」と言って、その場所までは連れて行ってくれた。素晴らしい外観だったので、汚い格好で行って突然で泊めてくれるような所だろうかという不安は的中で、タイシルクの衣装のお姉さんから「いっぱいです」とアッサリと断られた。
by kienlen | 2009-04-19 16:55 | | Comments(0)

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