ガイドブックの効果

タイへの旅で迷ったのはガイドブックを持参するかどうかだった。機内や夜のホテルの部屋で本なしでは過ごせないので、いつものように数冊の持参は迷わなかった。外国では日本の本が不足しているから、読み終えたら誰かに上げればいい。今回はラオスの友人と、日タイの通訳翻訳業を生業にしているタイ人の友人に上げて喜ばれた。で、ガイドブックだが、出来心からロンリープラネットの日本語版のタイを買ってみるということをしてしまったのが問題。高い、厚い、重たい。でもせっかくだから持参してしまった。ガイドブックは読んでおしまいという類の本と違うし、高価でもあるので簡単に差し上げるのもためらわれる。結局のところ田舎の旅にも持ち歩いて重たい思いをしたのだが、それでもガイドブックの指南に従って行動するなら価値はある。私の場合は一応読むけど、基本的に情報は自分で確認しないと信用できない性格であるし、なるほど著者はそう感じているわけね、と、読んでいる時は敬意を感じるが閉じると忘れてしまう。で、結局は成り行き任せの行動になる。となると一体ガイドブックに何の価値があるのか。タイの最果ての県に1人でいる時に虚しくなって、ひとつくらいガイドブックに沿った行動をしてみようと決心した。
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ウボンラチャタニーというラオスに接する町にいる時だった。1日目はラオスへの国際バスに乗って日帰り旅行をしたが2日目が暇になった。ホテルをチェックアウトして、バンコクへの夜行列車の時間まであいている。ロンリープラネットのおかげもあって重たい荷物をしょって40度近いと思われる晴天の炎天下を歩いていたが、どこを歩いていいか分からない。車(といっても自転車とかトラックとかトクトクだが)を拾っても、どこに行ってもらったらいいか分からない。それでガイドブックに「特産の綿織物製品の品揃えがすばらしい」という魅力的なコメントで紹介されている店に行ってみようと思った。運転手に名前を告げるが知らない。通りの名前も言うが知らない。「綿製品が欲しいならいい店がある」と勝手に連れて行ってくれる。そこで降ろされて、しょうがないから店に入る。次の車を止めて同じことを告げる。また知らない。また別の店に連れて行く。こういう運転手のサバイバル方法もタイの楽しみということで騙されていたが、やはり知らないという3人目の運転手には「とにかくこの店に行き着いてくれ。そうじゃないと乗らない」と言ったのだが案の定「大丈夫、大丈夫」と言ったきり別の店に連れて行く。今度は騙されるフリをやめて「名前が違うでしょ」と言うと「ここは有名だ、よく売れている」と何とか商売にしょうとするわけだ。的外れではあっても努力は認める。しかし当方もクタクタ。結局あちこち回って行き着かずに諦めて、交渉成立していた金額を渡そうとしたら釣りをくれない。釣りをくれと言ったら「あちこち回ったから」と言う。ガイドブックの効用はどこにあったのか、って感じだった。
Commented by クリス at 2009-04-12 08:59 x
日本におけるタイの人たちのイメージはいつもニコニコしているおとなしい人、ってな感じじゃないかと個人的に思っているのですがこれって彼らがよその国に来ているんだから我慢してるだけなんですかね?日記を拝見していると「おまえの都合はおれの都合。おれの都合もおれの都合」ときわめてジャイアン的行動思考をお持ちな方々だったんだと考えを新たにしています。
最近は空港閉鎖といいASEAN会議妨害といいタイの人たちって案外おれさま?と感じる事件が続いている気がします。幸か不幸は日本はあまり直接被害を受けないと自分のこととして感じない社会性の薄い国民性なので特にこれを原因としてタイに対する心象が悪くなるとは思いませんが日々自分のこととして受け止めなくてはならない立場のkienlenさんとしてはご苦労も多いことでしょう。お疲れ様です。
Commented by kienlen at 2009-04-12 18:47
クリスさん、ひじょうに興味深い点だと思います。どこの国にもいろんな人がいるとして、それでもニコニコはタイ人には特徴的だと思います。それに慣れて日本に来た時に無表情な人たちという印象をもちました。しかしニコニコの意味が何かっていうと多分いろいろあるんじゃないでしょうか。また本文の方で書いてみたいと思います。アセアンの会議中止は唖然です。この一連の騒ぎには、言えない、書けない次元の力も影響しているらしいという噂も…。なおこのところの動きでタイが嫌いになった人多いですよ。この間一緒に行った友達もそうです。
by kienlen | 2009-04-11 12:26 | | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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