古道を歩く旅

古い街道を歩くという企画に参加していた。古民家を、温泉の出る山の上に移築して改装した旅館に1泊して、2日間で数10キロを歩く。その道の研究家が重要なスポットでは解説してくれる。新聞でお知らせを見た時に興味はもったが1万4000円という参加費を払ってまで行こうなんて気にはならず忘れていたら、友達が費用を負担するから一緒に行こうと誘ってくれた。なんということでしょう。あまりのありがたさに万障繰り合わせるつもりでいたら、本当に直前に仕事が入って、一瞬ああ…とは思ったが事情が事情だけに仕事を断った。1人でやっている分には仕方ないことだ。楽しみに支度をして出かけた。天候の変化が毎日大きいので服装が困った。まず荷物を最小限にしたいのは第一条件。歩いていると体は温まるが、立ち止まるとじきに寒くなるに違いない。標高もある程度はあるから里より気温は低いだろう。しかし歩くと温まる分を計算しておかないと不快になることも予想できる。結局、汗をかいていい綿のものを重ね着してジャケットも薄手にして、寒くなるようならダウンのベストを下に着用できるように準備した。念のために薄手のセーターを1枚。面倒で抜いてしまうこともよくある朝食もちゃんと食べて出発。結局快晴から雪から雨からみぞれから曇りまで全部経験することになり、脱ぎ着はだいたい予想通りになった。

バスでスタート地点の山の中に移動してからは自力で歩く一行は60人超。昔の街道は峰か谷だったが、峰の方が橋をかけない分容易であったから好まれたという説明を受ける。なるほど。で、今回はその峰街道である。私の出身地あたりであったので、思い出がいろいろと蘇ってきた。厚い落ち葉を踏む感触。夏は蛇が怖かったけど、1人でよく山を歩いたものだった。好きな植物があると採ってきては庭に移植した。食べられるものは食べる。まずくても食べる。崖が崩れたり根元が削られて木の根がむき出しになっていると、それは格好の隠れ家だった。誰から隠れるということもないのに隠れ家にした。そうか、もう遠い昔のことだ。こんな1人遊びを継ぐ人もいない。峰の景色はすばらしい。近くの山から遠くまで三層くらいに連なっているのは山国ならでは。高い山は雪で真っ白だ。お昼のお弁当には地元の人の用意してくれたなめこ汁も付いた。ああ、美味しい。温泉もきもちが良かった。7人同室の宿泊は少々キツイものがあって、もともとどこでも寝れるというタチでない自分は決意した。通販生活で見つけたライト付のルーペを注文しよう。そしたら人の邪魔をしないで読書ができて眠れない夜を乗り切ることができる。2日目の今日は残念ながら終始舗装した平坦な道路で、1日中歩いた割には物足りなかった。やはり山が好きだ。山登りのできる季節になった。
by kienlen | 2009-03-25 22:15 | | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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