ストロボを買いに行って

カメラのストロボが必要になった。とにかく即刻入手しないとならないから、いつも行く大型電機店に行ったら「ストロボは取り寄せになります」と言う。若くてオタクっぽいお兄さんはそれだけをぶっきらぼうに告げた。そんなの待ってられないから、カメラ屋に行った。自分のカメラと同メーカーのは3種類ケースに入っていた。1万円台、限りなく3万円に近い2万円台、6万円に近い5万円台。ストロボってってこんなに高価なんだ。そうだ、だから買う勇気がなかったのだ。仕事じゃないから持ち出しのみでこの価格は痛い。1万円台はあんまり役立ちそうにないサイズ。どうせなら使えるものじゃないと…しかし6万円はあんまりだ。3万だって充分高すぎ。近くにいた店員さんにカメラの機種を告げて「使えますか」と聞くと「今、カメラ持ってますか」と言う。とってもありふれたものだから機種名だけで充分と思うのになあ。見るからに頼りなげ、つまり知識無げ。私も若い頃に書店と手芸店の店員をしていたことがある。店員という仕事は嫌いではなかった。どこに何があるか記憶して、毎日入荷する商品を並べる時にやはり記憶して、ストックに何があるか記憶して、書店だと書評欄など見てお客さんから聞かれそうなものが自分の担当棚にあるかどうか確認して、必要と感じたら位置を変える。予想と当たると嬉しい。こちらに知識があるとお客さんがそれを目当てに来てくれる。そういう人に教えられることも多かった。長時間の立ち話もしていたから、今より呑気な時代だったんだろうと思うけど。

その店員さんにカメラの商品知識がないことはすぐ分かったが、このところそう感じることが多いので慣れてしまった。と、頼んだわけではないのに別の店員さんが来てくれた。3万円に近いのと6万円に近いのの相違点を聞く。なかなか感じの良い対応だし、押し付けがましくなくて好感を持った。私は経済学のモデルに出てくるような合理的人間ではないから価格のみが決定要因ではなくて、買い物は雰囲気と気分に左右される。それに昨日の場合、もう時間がなかった。それにしても…「高いですねえええ」と言うと「ストロボは下がらないんですよ。ボディは新しくなるごとに下がってもストロボは新しくなるたびに価格が上がってますね」。結局3万円に近いのを購入することにした。私が尋ねることの焦点をずらさずに手短に説明した上で「すぐ使うんだったら電池入れておきますか」と気がきいている。もちろん頼む。「明日使うんだったら今日のうちに試し撮りした方がいいですよ」「もちろんそのつもりで、それで今日急いで来たんです」「じゃ、もしも何か分からないことがあったりトラブルがあったら電話いただければ教えますから。8時まで営業しているから大丈夫ですよ、名刺を差し上げておきましょうか」と言う。こういうひと言で心強くなるものである。「それはありがたいです、お願いします」と受け取った名刺の肩書きは店長だった。こういう人がいてくれると店頭販売の商品を買うのもいいなと思える。
by kienlen | 2009-03-04 08:47 | 仕事関係 | Comments(0)

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