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著しい変化の中にいることだけは確か

この間、市の国際交流コーナーを通りがかったら大変な賑わいだった。お祭りとかではなくて、日本語教室の賑わいだ。ワンフロアに簡単なパーテーションを置いて3つのグループが勉強している。少ないクラスでも6-7人、多いと20人くらいでもういっぱい、いっぱいという雰囲気なのに、私がコーナーの担当者と話しこんでいる間に隣の机でもう一クラススタートした。若そうな子も結構いる。一体どういう人達なんだろうという興味がムクムクするが勉強中にジャマするわけにもいかないし、知り合ったばかりのフィリピン人と目があって手を振る挨拶だけ。それから日本語を教えていたうちの1人は高校時代の担任教師だった。コーナーの担当者と雑談。タイ人の相談の特徴を話してくれるが、私にとってはなんだか飽き飽きの話で「それ典型だから」「それ、日常茶飯事だから」と投げやりな応対をしたような気がする。自分が身を置いている場所をあくまで客観的に眺める必要性というのは、日常生活を営む上においてはないわけだな、ということを感じる。彼女が職務以上とも思えるケースに対応できるのは、それでもやはり仕事だからで、これを完全にボランティアでやろうとしたら無理だよねえ、という話になる。「年会費制にしてタイ人協会みたいなのを作ったらどう」と提案されるが、一体誰がやるんだよ、というのが現実だろう。定職があったら精神的な余裕はあるだろうけど、物理的な時間確保は難しいかもしれない。逆の場合は、言わずもがなで、それが我が家を含めてほとんど。

それにしても、最新の現場に接していない自分にとって日本語教室の賑わいにはびっくりだった。そのうちに元担任教師のクラスが終わったので先生に声をかけた。私に「先生」と呼ばれて「あら、歳がバレちゃうわね」と、いきなり言うってどういう意味でしょう。元気そうで何よりだった。「ここで教えていると今の日本社会の現状がよく見えるでしょう」と言うと「ホントよ、すごいことになっているわよね」「でしょ、でしょ」みたいな立ち話。すごいことというのは、もちろん底が抜けたかのような雇用環境等々、基本的な構造変化を指す。先生は「こういうボランティアばかりしているからますます貧乏よ、年金生活は辛いわ」と言う。それで私は「でも、下の世代からみると年金もらえる世代はマシとか思ったり、安定している公務員はいいなとか、正社員はいいなとか、庶民同士の足の引っ張り合いみたいな事態が一番怖いですよ」と言う。「その通りよね」「その間に政治家はああだしね…」。これ以上言葉を発する必要なしの地点というのはだいたいここである。そのへんは周囲を見る限り全員に共通しているのにそのまんまって、どういうことなんでしょう。先生にも分からないだろうから聞かなかった。
by kienlen | 2009-02-19 08:51 | タイ人・外国人 | Comments(0)

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