ゲバラの映画を2作

「チェ28歳の革命」と「チェ39歳別れの手紙」という連続の映画を、しばらくの間をおいて見た。後半部分を見たのは昨日。ちょうどうまい具合に時間があうことが分かって急遽行った。ロビーに、ここらあたりのシネコンでは見かけないタイプの団体さんがいて、何事だろうと視線を送ったら知り合いだった。「あら、お珍しい」と言うと「スペイン語を習っている仲間なの」というお答えだった。なるほど、スペイン語の勉強で見るにはいい映画じゃないかと思った。セリフが弾丸のようじゃないし翻訳を見る限りの想像でしかないが、正しい言葉遣いで懲りすぎず、でもちょっとひとひねり、みたいな印象だったから。これは見る前から楽しみにしていたものだった。なぜかというと、チェ・ゲバラがカッコ良くて好きなのと、ソダーバーグという監督さんもカッコいい映像だなという思い込みがあるから。私が期待したくらいだから見に言っている人は周囲にも多くて、ここまで多くの知り合いが見ているのも珍しいと思う。私は見るのが遅い方だったから「どうだった?」と聞きまくっていたが、雄弁に語る人はいない。「う~ん」で黙っちゃうのが割かし多い。あとは「なんかリアリティがないんだよなあ」とか「地味」とか。ひとりだけ「オレも何かやらなくちゃと思いました」という男性がいた。で、自分で見た後に「どうだった?」と聞かれての答えも「ひと言では難しいなあ。好みからすると嫌いじゃないけど、好きだけどお…」で言葉を濁している。どう感想を言ったらいいんだろう。

前半はゲリラ戦が成功するわけで、つまりキューバ革命が成功する革命家側からは文句なしのハッピーエンドであるし、多少のゴチャゴチャはあるものの安心して見られるようになっている。対する後半はもう焦燥感でいっぱい。説明は丁寧にしてくれてないが、虚しさが画面の奥深くまで染み込んでいるようで、感極まってというのではなくて、しんみりと泣けてくる。感情に訴えるというよりは、人の存在そのものにつきまという本質的な悲しみという感じ。こういう次元の悲しみをユーモアを入れずにまじめに、でもここまで洗練されたタッチで見せてくれるってスゴイなあと思った。音楽も良かった。とってつけたような恋愛だとかベッドシーンのないのが何より好感。そういうのがあると、とたんにガックリきてしまう自分であるから。後半は「麦の穂をゆらす風」を思い出した。間をあけずに続けて見る方が、対比の妙を味わえて良かったような気がするから、ここまであけてしまったのは残念。キューバもボリビアも自分にとっては未知の国だが、私は「リアリティを感じない」という友人と違って、なんだかリアルに感じた。
by kienlen | 2009-02-14 11:31 | 映画類 | Comments(0)

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