なんとか平常に戻った

子供達が登校し、夫はタイから戻り、コックさんも夜と昼を1回ずつ休んでから来るようになっている。あの日は、次の夜も休んだらどうしてくれる、と思いながら店のドアをあけると、すかさずワイ(合掌)して「すみませんでした」と何度も謝った。私は基本的にこのコックさんは好きなので、これを機にいなくなってくれとは思わないからホッとした。それにだいたい金の問題でも悩んでいるのに働かないでどうするのだ。「私的な事は私的な事として、仕事は仕事で区別してちょうだい。この店がやっていけなくなったら私達も困るけどあなただって困るでしょうし、みんなが困るよ」と私が言うと「今回はそれができないくらいに頭にきた。殺さないだけマシ」とマジな顔で言う。こんな言葉を仮に私が吐いたところで笑われるだけだろうが、このコックさんが言うと迫力あるし、タイの女性の激情ぶりは有名であるし、実例も知っているし、包丁の扱いには慣れているし、笑えないものがある。思わず「それはやめてくれ」と本気で言ってしまった。仕事への不満だろうかという危惧ははずれて、女性問題というか男性問題というか、人間関係の問題なのであった。

「まったく、若者じゃないんだし」と夫に言うと「歳を取るほどに子供みたいになるのだ」と言う。確かに恋愛に年齢は関係ないだろうから、正直のところ、そういう感情を抱けること自体が羨ましいといえば羨ましい。いずれにしろ異国で暮らすということは、よほどの能力なり地位なりネットワークなりがない限り、同胞の狭い社会で暮らすこととほとんど同じ、あるいはそれさえなしに家族だけみたいになりがちなので、その中での人間関係が煮詰まって息苦しくなるのはしょうがない。気持ちを発散させる手段というのが限られている。いずれにしろ夫が戻ってからは私が口を挟むような問題ではなくなった。昨夜は友人が来るというので客で行くと、韓国人ばかりのテーブル、白人女性と日本人男性のカップル、フィリピン人と日本人の混じったグループと国際色豊かだった。こんな地方都市でもここまで来ているんだなと思うと面白い。カウンターでは「タイで年金暮らしをしたい」という男性が長いこと話しこんでいた。バンコクだと家賃が1年で1万円とか、とんでもないことを言う。タイ人女性の名前で借りてもらうとうんと安くなるとか、私らにしたら、そういうことを言う人の方が怪しいですよ、とアドバイスするのみであるが、いろんな情報が飛び交っているわけだ。
by kienlen | 2009-01-13 10:43 | タイ人・外国人 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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