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梅は咲いたか

一昨日、旅計画に集中しようと思っていたが、突然山を見に行きたくなった。今年は遅くに雪が降ったのでアルプスの白さがいつもにも増して輝いている。この間軽井沢に行った時に見た浅間山の白さも感動だったが、アルプスはアルプスで自分には馴染みがある。娘も行きたいというから絶景温泉とピザというセットコースにした。しかし出てみると春っぽい霞んだ空になっていた。そういうことにいちいち、ここは日本である、自分は日本人であると感じてしまう。その時思い浮かべるのはタイの天気と夫で「ああいう国に育つとパパみたいになるよね、自然に無関心」というと娘は「パパはパパだから」と、個人差であると思っているようだ。タイから来たのは生まれて間もなくだったのだから、タイに暮らす感覚というのを知らないから、かもしれない。
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これではまだ真冬の光景。こっち側が春っぽくならないと山の白さとの対比にならない。と、こういうふうに思うことの方が自然に反しているとも言える。いつ行っても素晴らしい景色であった。写真では分からないが。露天風呂が使えるといいけど、と思っていたら大丈夫だった。それから、いつものカフェへというよくやるコース。
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美味しかった。最近忙しいそうだ。春は浮かれる季節なのだ・展望台からも山見学して目的を果たす。温泉に入ってきたことを伝えたら、露天に入れるかと、知らないお客さんから聞かれた。これから移住してくるのだそうだ、定年になったから。この景色に魅せられて、というから分かります、と答えた。
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ついでに梅園に寄ってみたがまだまだ。
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これって一分咲きくらいなんだろうか。旅から戻って旅計画再開した。

# by kienlen | 2024-03-18 09:55 | | Comments(0)

予約疲れ

今日は集中して旅計画を立ててへとへと。出発が4日後というのに、行き先が全部は決まってなく、さすがにもう決めねばと昨日やったが完成せず、でもめどは立てたのでなんとかなるだろうと、今日移動手段を具体化しようとして愕然、行きたいと思っていた場所への交通手段がないらしかったりで、めちゃめちゃ。幸い予約したホテルがキャンセル可能だったので金銭的損失はとりあえずはなかったが、しかしこの先超不安ではある。後半が一人旅になってしまうことになり、それでついつい陸路移動ばかりのスケジュールにしてしまった。つまり観光したいというよりは移動。でもこれはとってもリスキーではある。時間通りに動くと思えないから。1人なので遅延しても明るいうちに宿泊地に着けるようにしたつもりではあるが、なお不安は残る。ドイツだったらそういう心配はなさそうに思うので、1人だったらドイツにいるのがいいのかもしれないと思って一瞬それも考えた。少なくとも、とんでもないことは起こらないような気がする。しかしせっかく中欧行くのだからとポーランドで多少欲張ってしまい、これが一番の不安の元。チェコ、ハンガリー、ポーランドの時間を信用していいとは思えないのだが、さすがにもうそういうことはないのを願うのみ。前半一緒の友達は飛行機使うそうだ。そりゃあそうだろうなと思う。今回、交通の予約もアプリで行うことができるのが分かったのは成果であるが、旅行会社に相談する方が賢いのかもしれない。分からない。
# by kienlen | 2024-03-17 21:08 | | Comments(0)

『ドレスデンの落日と復活ー精神科医が見た東ドイツ終焉前夜』

旅するおかげで目的的読書ができるようになった。そうなってみると、日頃いかに無目的に読んでいるかが浮き彫りになる。この間のドレスデンのが良かったので、旅用としてはもうそれだけでいいかと思ったが、一緒に借りてきたこちらを見たら精神科医が書いているもので、ちょっと興味を持って読んでみた。統一前と統一後に行ったドレスデンの様子が主観的に綴られているもので、そういうことになった経緯もその後の展開も興味深く面白いなと思いながら読んでいる途中で、ふとアマゾンの評価を見てみたら、主観的すぎるとかもあり、主観以外に何があるのだと本を擁護したくなったが、最後の方はちょっとそう言いたくなるのも分からなくもなかった。その時代にその時代のことを書いたものが、後で読むと意外に面白いんだなと思った。壁崩壊の時、自分はバンコクにいた。かつての日本と比べているあたりも心当たりありありで、歳とるってもうそれだけで歴史なんである、当たり前か。昨日から春っぽくなってきた。
# by kienlen | 2024-03-15 08:22 | 読み物類 | Comments(0)

寂しいということ

昨日の父からの電話は、もういかにもか弱いものであり、これはもう力がなくなっているなと分かるものであった。何をいうかと思ったら、弟と一緒に来て欲しい、であった。これからどうするか話したいとのことであった。弟と一緒に、という点が前代未聞以外は特に驚くことはないし、私は指定の時間場所に行くのは可能であったから、弟との連絡をどうするかと聞くと、自分でするというので切った。すると、弟も可能だと父から電話があり、いつもの如く各自で行くか、それもガソリン無駄だが、あえて弟に連絡するのも面倒だしと思っていたら先方から「今出先にいるから乗せていく」という電話があった。これも前代未聞。人間、基本は変わらないが対処方法は変わるものである。弟と車の中で、何事であろうかということにはなったが、私は、もう思考力もないし、その場その場で思いついたこと言うだけでしょうから、特に何もないと思うよ、と見解を述べた。弟は、マメに父の世話をしているのが感心であるが、前日は色々と頭に来て強く出てしまったから、それで何か考えたんじゃないだろうかとの見解だった。結局のところ、これまで父に言ってきたことや考えで、弟との間に差異はほとんど皆無であることが判明した。さすがにここまで来ると話しておくべきことは少なくない。

結局、父は私の予想した通りだった。それほどゆっくりもしたくないので、最初から招集したポイントを尋ねると「1人で寂しくなった」と言うからびっくりして「じゃあ、今まで寂しくなかったのか」と聞くとうなづくから、思わず「楽天的な人ね」と言った。寂しさの感覚というのは、人によって相当に違うものであるとは感じていたが、目に見えないものなので掴みようがない。帰りの車の中で弟も「1人が一番いいので結婚なんかしたくなかったが、誰でもいいから結婚しないと恥ずかしいと母に言われて結婚したら、今度は離婚しろと言われた」と憤慨していた。そういう親であることは同じ親に育ったので分かる。あの親からよくここまで真っ当な人間になったものだと、今も感じているのは傲慢なのだろうか。大変なのは自分だけではなく弟もだったのか、しかも田舎の「長男」であるからプレッシャーは比較にならない。この点の申し訳なさみたいなのはちょっとあり、今回の旅行のことも遠慮がちに伝えてあったが、彼は彼で海外旅行願望はないが国内は乗りまくっている人なので問題なかった。それにしても、人の人生を左右するのはほんのちょっとのことなのだと思えてならない。弟があの立場で私のようなタイプだったからおかしくなるだろうし、もっと強かったら家と決別するだろうし、もっと弱かったら生きていないかもしれないし、どうなったところで自分への影響は多大であるし、母が生きていたらそれこそどうなっていたかとか、全然意味のない仮定をしてみたりする。結局1人が平和なのである。結婚って、寂しがり屋が弾みでしてしまうか、外圧でしてしまうだけのものかもしれない、と言ったら夢も希望もないが。

# by kienlen | 2024-03-14 08:36 | 家族と子供の話題 | Comments(2)

『ドレスデン逍遥ー華麗な文化都市の破壊と再生の物語』

ドレスデンに寄ろうと言ったのは一緒に行く友達だった。ドレスデンって聞いたことはあるけど何も知らない。ガイドブックを買ってはみてもサッパリ見る気になれない自分とは一体何なんだと長年思ってきたが、この本を読んで分かった。つまり物語が好きなのである。図書館をぶらぶらしていて偶然見つけたものだった。ドレスデンがタイトルに入って別の本が目に入り、図書館なので吟味することもなく借りることにして、そしたらこちらも目に入ってついでに借りた。色々借りて何からいくかとなった時、なんとなくこれにした。タイトルがいいし、それに草思社である。そして1p目から引き込まれた。著者の川口マーン恵美さんという方の名前はよく目にしている気がするが、読んだのは初めて。素晴らしい本だった。美しい写真入りでこの内容で1600円プラス税金は、今は安く感じてしまうが、2005年刊行ということはもう10年近く前で、この10年の出版事情の変化は多分すごく大きいのだろうなと思う。

ドイツというとナチスのことは本でも映画でも山のようにあって、自分も結構見聞きしてきたように思うが、当然それだけではないはず。この本ではまず、ドレスデンがいかに徹底的に破壊されたかを偶然知り合ったという人の語りを通じて描かれる。全然知らなかったことだらけ。それからドレスデンがどうしてこんなに豪華絢爛の美しい街になったのかというのを歴史から描く。全体に物語調のエッセイで、とっても面白く読める。まだ中世のことなのに、行ってもないのに行ったような気分になれるくらいの臨場感。で、著者の最初からの疑問は、ここまで破壊されたのをなぜ再生したのかということにあるようであるが、ここも非常に興味深い。もし京都が破壊されていたらこうして再生するだろうか、否であろうといういう暗示があり、日本人ってここまでの執念はないよなと思うのであった。この辺は押し付けもなく分からないところは分からないといい、全体にとても好ましい本で感動的だった。ああ、良かった。それにしても、読むべき本山積み。

# by kienlen | 2024-03-12 11:56 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたりタイに住んだり戻ったり旅したり


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